武蔵野市のホームページによると、調査対象となっている市内の159棟の公共施設のうち、130棟は吹きつけアスベストが使用されておらず、安全が確認されましたが、残りの24棟のうち、現在分かっているだけで、「第4小学校視聴覚室」「本宿小学校放送室」「中町集会所階段室」の3棟から基準値を上回るアスベストが検出されたということです。3箇所とも、故意に剥離させない限りは飛散しない状態だということであり、すでに天井リフォーム材で飛散を防ぐ処置は取られたようですが、それは急場の一時しのぎの対応でしかなく、完全な除去ではありません。市は、今後の対応として、「早急に対策を進める」とはしていますが、専門施工業者が各所からの受注に追われており、『除去』『封じ込め』『囲い込み』などの抜本的な対応が短期にはできない状態です。
武蔵野・生活者ネットワークでは、平成16年第4回定例会(H16.12)の一般質問で、87年に各都道府県の教育委員会を通じて文部省が行った調査の対象外であった吹きつけアスベストの存在が他の自治体でも見つかったことを例に挙げた上で、「撤去されたはずのアスベストが各地で発見され、新たな問題となっているが、武蔵野市での安全確認はされたのか」という質問をしました。これに対し土屋前市長は「昭和62年から平成3年までの間に、昭和50年以前の全施設を対象に徹底的に調査をした結果、建物で飛散するおそれのある部分、内装にじかに使われているところを中心に現地調査をして、その時点で全部撤去いたしております。直接塗布して、飛散の可能性のあるところについては除去したと。それ以外のものについては、その建物を壊したりとか、そういうときに対策をとると、こういうことでございます。」という答弁に終始し、「新たに調査する」との回答は得られませんでした。また、平成17年第2回定例会(H17.9)でも、「現行のアスベスト関係の規制では不十分で、市独自の条例を作るべきでは」などの質問をしましたが、市長不在の中、助役からは「全体的に調査を実施するような規制は国や都レベルで行うべきことで、市は現行制度の中でしか対応できない。」との回答で、23区内では対応策として独自の条例を作っている自治体があるにも関わらず、武蔵野市では消極的な回答でした。
もし、私たちが危険性の警鐘を鳴らした12月議会後に迅速に対処していれば、今年度入学の1年生をアスベストの危険に曝すことは防げたはずです。施工業者も受注に追われることなく、すぐに工事を行えたのではないでしょうか。また、9月29日時点で、第4小学校・本宿小学校の保護者に対して市側から何の説明もなされていません。このような市民に対する前市長と行政の不誠実な対応に疑念を持たざるを得ません。