「パパ、遺伝子組み換えってなぁに?」上映会&講演会の報告
ドキュメンタリー映画「パパ、遺伝子組み換えってなぁに?」はパパ(監督)が子どもたちと一緒に遺伝子組み換えの謎を解く旅に出ます。いろんな人に話を聞き、遺伝子組み換えトウモロコシ畑に行ったり、モンサント社に追い返されたり、公園のニジマスのエサが遺伝子組み換えの飼料だとわかったり、乳がんのマウスを見たり、ノルウェーの世界の作物種子を永久保存する施設を見に行ったり、、、、監督は「この映画を遺伝子組み換え作物について何も知らない人に見てほしい。うまいとか、まずいとかの問題じゃなくて、自分がどんなものを食べているか、全然気にしない人たちに見て欲しい。」と語っています。子どもたちは可愛く、緑は美しいけれど、とても怖い映画でした。
天笠啓祐さん(ジャーナリスト、遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン代表)講演より 遺伝子組み換え(GM)とは?・生命の基本である遺伝子を操作する・他の生物種の遺伝子を導入する例;ホウレンソウの遺伝子を入れた豚・クラゲの光る遺伝子を入れた猫など。・導入した遺伝子の働きを強化する・GM(Genetically Modified)と略す。
遺伝子組み換え食品のもたらすものは?・日本人が一番食べている・安全性に疑問・生態系(環境)に悪影響・種子独占(食料支配)をもたらしている。
省力化・コストダウンを目的に、すべての植物を枯らす除草剤に抵抗力を持った作物、作物自体が殺虫能力を持った作物が作られ、米国では作物自体が農薬登録されている。
GM作物は、生物多様性を壊し、食の安全を脅かしている・遺伝子組み換え作物は生物多様性を破壊している。・日本全国で遺伝子組み換えナタネの自生。・殺虫性(Bt)作物で耐性害虫の拡大、除草剤耐性作物で耐性雑草の拡大・食の安全を脅かしている。
カップ麺など加工食品の中の植物油脂、蛋白加水分解物、加糖ぶどう糖液糖、カラメル色素、増粘多糖類、乳化剤は遺伝子組み換えトウモロコシが使われている可能性が大。入っている肉の豚や鶏の飼料は遺伝子組み換え作物の可能性大。
世界で広がる反対運動 ・欧州ではGM食品は流通せず、ドイツ・フランスなど栽培禁止国広がる。EUでGM作物栽培禁止を打ち出した国・地域はギリシャ、ラトビア、ドイツ、フランス、デンマーク、ハンガリー、ルクセンブルク、リトアニア、オランダ、ポーランド、イタリア、オーストリア、ブルガリア、クロアチア、キプロス、マルタ。また英連邦では、北アイルランド、スコットランド、ウェールズ、ベルギーのワロニア地域(2015/10/5現在)。旧ソ連圏・東欧もロシアなど拒否国相次ぐ。
米国で広がるGM食品反対運動・表示運動の全国化(7月1日よりバーモント州で表示制度スタート)。アジア・アフリカでは栽培阻止活動活発化。中国は撤退へ向かう。台湾は学校給食での使用禁止。韓国は栽培禁止。日本ではGMナタネ自生調査、GMOフリーゾーン運動、大豆畑トラスト運動、表示運動、カルタヘナ法改正運動、自治体の条例制定運動など進行中。
遺伝子組み換え食品の避け方 ・食用油で、コーン・大豆・菜種・綿実以外のものを。・国産(国内では栽培されていない) ・有機(有機は、非遺伝子組み換え、非放射線照射) ・遺伝子組み換え作物食品を扱っていない生協・産直から購入。 ・安全で安心できる食べ方。 ・素材から調理 ・旬な食材、地産地消、手作り。 ・輸入食品を減らし国産を。
日本の農漁業を守り、環境を守っていきましょう。