学習会「私たちの暮らしとつながる 海のマイクロプラスチック汚染を考える」より

今日「NPOごみ環境ビジョン21」「クリーンむさしのを推進する会」の主催で武蔵野プレイスで開催されました。

展示より<写真上>「海岸のごみを調べると私たちは使う生活用品が多いことがわかります。<写真下>「ごみは移動のたびに細かくなり、回収も困難になってしまいます。」

展示より<写真上>「海岸のごみを調べると私たちは使う生活用品が多いことがわかります。<写真下>「ごみは移動のたびに細かくなり、回収も困難になってしまいます。」(クリックすると大きく見えます。)

高田秀重さん(東京農工大教授)の基調講演から少し紹介します。プラスチックの生産量は増加しており、たくさん使えばプラごみもたくさん出ます。5兆個のプラスチックが世界の海を漂っており、プランクトンの6倍も多い量が太平洋の真ん中にあることになります。紫外線を受け波にもまれて、砕かれ細かくなったプラスチックは生物に取り込まれています。海洋漂流プラスチックからはノニルフェノール(環境ホルモン)などの有害化学物質を検出、さらに、プラスチックは周辺海水中から汚染物質を吸着、周辺海水中の10万倍~100万倍の汚染物質濃度の有害物となります。生物に取り込まれた化学物質は生物組織に移行・蓄積、カキの再生産能力や淡水魚の孵化率の低下などの実験結果も報告されています。さらにマイクロプラスチック(5mm以下のプラスチック)はプラスチック製品の破片だけでなく、洗顔料に入っているマイクロビーズ(スクラブ)やメラミンフォームスポンジ(激落ちくんなど)にも含まれています。

人間が魚介類を通してプラスチックを食べても、プラスチック自体は排泄されますが、化学物質は人体に移行・蓄積する可能性があります。国連でも議論され、国際的に共通した懸念となり、国際的には予防原則的に動いています。

2014年 アメリカサンフランシスコ市でペットボトルでの飲料水販売禁止。 アメリカカリフォルニア州でレジ袋禁止法案成立。 EUでレジ袋の使用削減を義務付け。 2015年アメリカでマイクロビーズ配合禁止。 今年9月フランスでプラスチック製使い捨て容器や食器を禁止する法律成立。などの動きがあります。

地方政治の場から提案し、できることはたくさんあると感じた学習会でした。

東京新聞 2016年4月9日夕刊

東京新聞 2016年4月9日夕刊

展示より<写真上>「レジ袋をのどに詰まられたウミガメ」<写真下>「プラごみを食べ餓死したと思われるコアホウドリ」

展示より<写真上>「レジ袋をのどに詰まられたウミガメ」<写真下>「プラごみを食べ餓死したと思われるコアホウドリ