第7回子どもの権利条例東京市民フォーラムのつどい

学校とつながる地域の子ども支援

 10月20日東洋大学で子どもの権利条例東京市民フォーラムの主催で学校とつながる地域の子ども支援について江戸川区と武蔵野市の取り組の報告とディスカッションがありました。かつて東京都は子どもが放課後を地域で過ごすことが健全育成につながるとし、放課後の子どもの居場所を学校と切り離す方針を定めていました。しかし、子どもたちや親たちの暮らしが変わったことや、各自治体の財政状況では地域に新しい児童館を建てることは難しく、子どもの安心・安全を確保できる場所は学校以外には考えられない現状が浮かび上がってきました。学校は子ども達にとって通学するための場所としてだけでなく、地域で暮らす子ども達をその地域に住む人たちで地域の現状にあった居場所とすることが可能です。

 江戸川区では健全育成事業と学童事業が合体し、学童クラブ登録と一般登録ができる教育委員会が主導する「すくすくスクール」が誕生しました。地域の人材と教育委員会の人材が運営のスタッフとなり、行事が目的・目標ではなく異年齢の子どもが交わる中で様々な体験を通し、子どもが地域の方々と触れ合える場所となっているようです。中学生になってもすくすくスクールが忘れられず遊びに来る子どもたちはボランティアとして参加し子ども達のお世話役として活動しています。また、6館あった児童館は教育プラザとなり中高生の居場所にシフトしていると報告がありました。

 武蔵野市では長期計画に示された小学校の子どもたちの放課後対策の充実施策の一つとして、「地域子ども館あそべえ」がつくられました。保護者を含めた地域社会の成員が一体となって、子どもをそだてるという考えに基づき市内12校に設置されています。子どもたちの居場所作りや異年齢児童の交流が目的ですが、一方障害のある子どもたちの受け入れに関しては、一人で行動できることが基準になっているなど課題もあります。全児童対策として地域に根付いてきていますが、あそべいのルールと学校のルールのすり合わせや、障害のある子どもたちへのスタッフの加配が求められています。