引っ越しで敷金が戻ってこない!?

いろいろなことがわかりました

 武蔵野・生活者ネットワークは昨年12月、13年間お世話になった緑町から中町に引っ越しをしました。

 12月に退去した緑町の事務所は、木造の古い建物でした。取り壊してマンションにでも建て替えるのでしょう、南側はすでに駐車場になっていました。前回2010年12月の契約更新時に「次回は更新しない」つまり退去してほしいとの前提でしたので、かねてから新しい事務所を探していたのです。

 やっと希望に適した新事務所が見つかり、12月に緑町の事務所を退去することになりました。家賃の1か月分を預けてあった敷金は当然戻ってくるものと思っていましたが、S不動産屋から電話で「室内がひどく傷んでいて、修理が必要だ。お金がかかるので返金はできない。修理代を請求しないだけありがたいと思いなさい」と言われました。修理して次の入居者を探すような建物ではありません。私たちは大変憤りを感じました。

 東京都庁の賃貸住宅相談(03-5320-4958)に相談したところ、「とりあえず修理の見積書を取りなさい」と助言されました。本来なら、転居に伴う費用も請求できたはずだとも言われました。
 すぐにS不動産屋に見積書を依頼したところ、工事業者のものではなく、自社で勝手に書いたものだったことには呆れるばかりでした。

 結局、東京・生活者ネットワークの顧問弁護士から大家さんに、「敷金返金請求」の内容証明郵便を出していただきました。その後、S不動産屋から激しい言葉で電話が一度入りましたが、7日目に無事家賃1か月分の全額が戻ってきました。

 今回の事例で学んだことは、何事も電話での口頭のやり取りだけでなく、書面で証明できるものを保管しておくこと。契約書の内容にとらわれず、公的な相談窓口などにまずは聞いたり調べたりすること。の2点です。
 不動産屋との交渉というのは、なかなか気疲れしたり消耗したりするものです。公的な相談サービスを上手に活用して、スムーズな引っ越しにつなげたいものです。