種子は誰のもの? 種子法が3月31日に廃止されます。

「種子法廃止」については、あまり話題になってきませんでした。私たちは「種子法廃止」の反対署名運動などをしてきましたが、力及ばず、十分な議論もないまま3月末に廃止されることになりました。主要農産物である「米・麦・大豆」これらを安定的に供給するために国が果たす役割を定めていたのが「主要農産物種子法」です。しかし、国は民間企業の参入を阻害しているとして突然種子法廃止を閣議決定(安倍政権のすすめる農業改革の一環)しました。これまで農業試験場など公共機関が培ってきたノウハウや知的財産を民間企業と共有することを目的としています。

現在日本には300種類の米が栽培されています。つまり、地域の特性に合った様々な米が改良されてできあがってきたわけです。それを大手企業のために数種類に絞らなければならなくなり、原種、原原種と自家採種してきた農家はこれまでの種を守ってきたやり方から、民間企業の種と農薬と化学肥料をセットにしたものを買わなければならなくなります。

日本の種子(たね)を守る会発行の冊子

実はもう遺伝子組み換えイネがつくばの研究所で栽培されていたり、原則輸入禁止の遺伝子組み換え食品がそのうち輸入され、さらに表示義務もなくなるとか、因果関係は証明されていないけれど、男性の不妊率が2割になっているとか、聞けば聞くほど恐ろしい。消費者である私たちが何を食べたいのか、農業者が何を作りたいのか、農業は産業ではなく食料であること、食の安全がますます脅かされていく可能性があります。

20日の国会農林水産委員会で、大河原雅子さんが質問に立ちました。冒頭、森友改ざん事件に対する質問から始まり、種子法について農水大臣へ質問しました。国会中継などで見る安倍さん、麻生さんの人を馬鹿にしたような答弁とは全く違う、真面目なやりとりがされています。ぜひ下記からご覧ください。

http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=47916&media_type=fp