連続学習会 あなたの「からだ」守れていますか?第2回女性の健康とおとなの性教育      「笑顔の妊婦さん」に向けて

第2回  女性の健康とおとなの性教育 ~じつは日本の方が途上国?~

笑顔の妊婦さんの必要なことを出し合いました。

笑顔の妊婦さんの必要なことを出し合いました。クリックすると大きく見えます。

講師は浅村里紗さん(ジョイセフ人材養成グループ長)、「笑顔の妊婦さんに必要なことは?」ワークショップから始まった学習会、「必要なのは、夫婦仲、経済力、平和、母子健診、医療環境、社会保障制度、保育環境…」などあげられました。

妊娠・出産は女性のからだで起こることですが、笑顔で出産するためには自分だけでは決められない多くのことが必要です。

診療所までを歩いて4時間もかかる村に住み、自分の意思で行くことすら許されず、妊娠・出産に関する知識もなく、子どもを産むことに不安を持つ開発途上国の現実。ジェンダー格差、地域格差、経済格差、教育格差、医療格差など様々な要因で笑顔になれない妊婦がたくさんいます。妊娠や出産が原因で世界では1日に830人もの女性が命を落としています。

紙芝居  エプロンの大きなポケットの中には子宮の絵、妊娠への子宮の変化がわかります。

紙芝居  エプロンの大きなポケットの中には子宮の絵、妊娠への子宮の変化がわかります。

日本では妊娠・出産で命を落とすことはほとんどありませんが、1日510人(2013年)が人工妊娠中絶をしており、その数は10歳代より30歳代の方が多くなっています。「おとな」のはずの30歳代でも、望まない妊娠が多いことが分かります。意外に自分のからだのことを理解しておらず、「性と生殖の権利(リプロダクティブ・ヘルス/ライツ)」という女性の権利を認識していない現状があります。すべての女性が自分の人生を自らの意思で選択し、決定できる環境をつくることが必要です。

私たちは女性自身が力をつけ、様々な格差をなくすための環境作りに向けて活動していきます。「性と生殖の権利(リプロダクティブ・ヘルス/ライツ)」が胸にすとんと落ちた学習会でした。

 こういう世界に…

・女性も男性も、そして考え中の人も、また、若い人も年を重ねた人も自分の体をコントロールすることができることにより、自分の人生を導くことができること。

・人が子どもを産むか産ないか、いつ産まないか、何人産むかを自由に自己決定することができ、生涯(ライフサイクル)をとおして性生活を心身ともに健やかに、望まない妊娠や性感染症(HIVを含む)におびえることなく、安心して営めること。

妊産婦と女性の健康と命をまもるために…自分を大切にする力をつけ、相手も大切にすること……これはより幸せな人生をあゆむこと。

             国際協力NGO ジョイセフ http://www.joicfp.or.jp