武蔵野市唯一の雑木林、「境山野緑地」で生き物調査を行いました。

 7月31日、昨年に続き、武蔵野市唯一の雑木林のある、「境山野緑地」で生き物環境調査を行いました。今年は子どもの参加も多く、案内人の「武蔵野の森を育てる会」の代表田中雅文さんの説明を聞くとすぐに探索に走り出します。子ども達は発見の名人、大人には見えないものが見えるようですぐに獲物が集まりました。

木漏れ日の中、「武蔵野の森を育てる会」田中さんのお話を聞きました。クリックすると大きくなります。

 かつて雑木林は農業を営む人々の生活に欠かせない林でした。成長が早いコナラやクヌギは燃料にする薪や炭に最適で、落ち葉は堆肥の原料としては不可欠なものでした。また、シイタケなどの栽培に使う榾木(ほだぎ)としても利用されます。これらの木は伐採しても切株から芽が出て再生し(萌芽更新)数年で再利用できる太さまで成長します。

現在私たちは燃料としての薪を必要としなくなったため、約70年も伐採していない森の木は大木に生長し、光が地面届かなくなっています。田中さんから「光がはいらず、地面も踏み固められているため下草が生えない。ドングリが落ちても育たない。遊歩道の整備と萌芽更新は緑地の保存や、多様な生物が生息できる環境保全につながる」というお話がありました。

 本来の目的を失った雑木林を残していくにはどうしたらいいのでしょう。今回の生き物環境調査でその答えが少し見えたような気がしました。それは雑木林には子どもを生き生きさせる力があると言う事です。数種類の蝉の鳴き声や普段見ることの少ない珍しいキノコ、昆虫やそれを食べる鳥などなど。初めて出会った子ども達が自然の中で楽しい体験をすることで何時の間にか友達になっていました。

中央の黒いものは、固いので鳥が食べ残したカブト虫の頭。

 

 

 

 

 

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