きれいな空気を取り戻そう!大気汚染調査

 環境部会では昨年12月、市内約30か所で大気汚染調査を実施しました。ディーゼル車の排気ガス規制やエコカーの普及などの取り組みが功を奏したのか、近年、大気汚染はわずかながら改善傾向にありましたが、今回は市内に限らず一斉調査した都内全域で、基準を超える地点が目立つ残念な結果になりました。原因の一つとして調査当日の気象条件―無風で汚染物質が滞留していた―が考えられていますが、PM2.5との相関関係も指摘されており、大変気がかりな状況です。

 ぜん息や肺がん、心臓病などの健康への影響が懸念されているPM2.5は、中国からの飛来ばかりが報道されていますが、日本の対策も十分ではありません。東京都にある78か所の測定局で環境基準達成率はなんと1割ほど(市内では第五小学校屋上に設置されています)。加えて6年後に開催される東京五輪に向けて、これまで差し止めまたは中断していた道路建設が加速度的に進む可能性があります。今後さらなる汚染悪化と汚染地域の拡大が予想される中、監視の目を緩めることはできません。

調査はこの様にして行います。

 20年以上前から、年2回実施している大気汚染調査の結果は、大気汚染測定運動東京連絡会へ、毎回報告しています。連絡会が中心となりまとめた長年の測定結果が世論を喚起し、ディーゼル規制など行政を動かし、PM2.5の環境基準設定にもつながっています。足元からの小さな活動ですが、今後もこの取り組みの重要性を紹介していきたいと思います。次回の調査は6月5日~6日の24時間です。ご協力いただける方は、武蔵野生活者・ネットまでご連絡ください。

(武蔵野生活者・ネットワーク環境部会 渡部)